2025/02/08 19:57

皆さん、こんにちは!御朱印帖(ごしゅいんちょう)の起源は、奈良・平安時代に神社仏閣へ経典を奉納した際に授与された「納経受取の書付」に始まるとされています。現在では、日本全国の寺社巡りの楽しみを彩るアイテムとして親しまれ、旅先での思い出を記録するのに最適な一冊となっています。
今回は、紙の視点から御朱印帖の形式や使用される和紙の種類・特徴、そして今後の課題についてお話しします。
まず、一般的な御朱印帖は「蛇腹式(じゃばらしき)」と呼ばれる折り本の形式が主流です。この構造により、見開きで御朱印を眺めることができるだけでなく、収納もしやすくなっています。サイズは大判(縦18cm×横12cm)と小判(縦16cm×横11cm)があり、用途に応じて使い分けが可能です。また、ノート式や手帳型の御朱印帖も登場しており、現代のライフスタイルに合わせた多様な形式から選べるようになっています。
御朱印帖の本文紙には、上質な和紙が使用されることが多く、特に「奉書紙(ほうしょし)」や「楮紙(こうぞし)」が一般的です。これらの和紙は、墨がにじみにくく、美しい筆跡を保つ特性があります。さらに、一部の高級御朱印帖には「鳥の子紙(とりのこがみ)」が用いられ、その滑らかな質感と耐久性が魅力です。表紙は布や友禅和紙をチップボールに貼り合わせたものが多く、美しい和柄が施されています。
次に、使用される和紙の特徴について簡単にご紹介します。
これらの特徴を備えた堅牢かつ優雅な和紙を使用することで、御朱印帖としての機能性と美しさを両立させることができます。
一方で、近年のインバウンド需要の高まりとともに、御朱印の収集が本来の信仰や礼節を忘れた「スタンプラリー化」しているとの指摘もあります。御朱印帖の文化を未来へ継承していくためには、参拝の心を大切にするとともに、寺社側もその意義を積極的に発信し続けることが重要です。加えて、環境に配慮した素材の導入や地域文化との連携による新たな価値創造にも期待したいところです。
御朱印帖は、歴史と文化を身近に感じながら楽しめる素晴らしいアイテムです。
紙楽では、御朱印帖の手作り講座を随時開催しております。越前奉書とお好みの友禅和紙を選び、蛇腹折りや糊付けの作業を楽しみながら、自分だけの一冊を作ってみませんか? その御朱印帖を手に、ぜひ旅に出かけてみてはいかがでしょうか。